第77章 【逆ハー卒業ルート】焼肉パーティ
「お前らなぁ!! ていうかもう全員卒業したならペナルティもなしだよねっ、これからいっぱいシてもいいって事だろ? な? な?」
「なななな、何を急な事言ってんの?!」
「そうじゃないでしょ、おそ松兄さん。照れてないで早く!」
十四松から紙袋を受け取ったおそ松は少し気まずそうに頬を赤くさせ視線を泳がせてナス子を茶化しているのだが、それもすぐトド松にバレてしまうと急かされる。
勿論、茶化しているだけでなく本音でもあるのだが。
「うるっせーな! 照れてねーし! わかってるよっ………ナス子」
「へい」
「なにその返事……」
呆れ顔のチョロ松が思わずそう呟くが、邪魔しないように口を噤む。
珍しく真剣な表情でこちらを見つめるおそ松に、もしや爆弾でも入っているのかとおかしなことを思ってしまう。
そんなわけはないとわかってはいるのだが。
「コレ、俺達全員からお前にプレゼントっ!」
「は?」
プレゼント?
今日は松達の誕生日であって、自分の誕生日ではない。
記念日でもないだろうし、プレゼントをもらう理由が特に思い当たらないナス子は、おそ松の台詞と差し出された紙袋に訝しげに首を傾げる。
「ぷ、プレゼントって……なんで? 今日はアンタ達の誕生日でしょ?」
「そうっ、俺達の誕生日なんだから俺達がお前にプレゼントしたっていいだろ別に、ほら、受け取れよっ」
「え、え?」
ほぼ強引に紙袋を押し付けられ、全員の顔を見回す。
皆こちらを見てうすら笑いで黙っているだけで、心の内が読めない。
まさか本当に爆弾とかじゃ……。
「開けてみてよ、ナス子姉っ」
「う、うん……わかった、えと、ありがとう、開けるね?」
紙袋の中から綺麗に包装された包みを取り出し、丁寧に解いていく。
包み紙が開かれ、ナス子の目に飛び込んできたのは。