第77章 【逆ハー卒業ルート】焼肉パーティ
そう、総額はすさまじいことになったが、それでも七人で高級焼肉店へ食べにいくよりは断然安上がりだろう。
パチンコに勝った金額は12万近くにもなるので、半額にも届いていなかったが、残ったお金はナス子が没収し松達が盗めないところへと仕舞ってある。
おそ松は自分が持っていると駄々をこねたが、おそ松に持たせたら銀の玉になって台に吸い込まれていくか、お馬さんに投資されてしまうのは目に見えているので、他の兄弟達の満場一致でナス子が持っていることになった。
「なぁナス子~! ビール注いでよぉ~いいだろぉ? 俺誕生日だよぉ? 主役主役~」
「それを言っちゃったら私意外全員主役でしょうが、ビールくらい注いであげるけど……」
「飲みすぎるな、だろぉ? わぁ~かってるって、耳にタコだっつーのぉ」
「あっ、ズルイ! ナス子姉、ぼくにも注いでよ~」
「おいっ! 抜け駆けすんなって! ナス子っ、僕にも注いでくれるよね」
「皆注いであげるから! 私の腕は2本しかないんだから、順番っ!」
次第に肉を食べる量が減って飲む量が増えてくる松と、未だひたすら肉を食べ続ける松。
六つ子とはいえ、やはり一人ひとりは違う人間。
顔も身体も同じでも、違いだらけの兄弟達に笑みが零れる。
うるさいし、酒臭いし、本当にしょーもない奴らだけど……
生まれてきてくれて、心からありがとうと思う。
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