第12章 愛の鞭 カラ松side
ナス子を見ると白目になって魂が体から抜けかけていたので、慌てて体を揺する・・・・・・オレ。
「ハ! 危ない危ない・・・死ぬとこだった・・・」
「一体どうしたというんだシスター!」
「いやお前のせいだろ! あ、お前って言っちゃったゴメンネ!? まったく・・・ああ、なんか喉渇いちゃった・・・」
ナス子はそう言って立ち上がると、店のすぐ横にある自動販売機からお茶を買い戻ってきた。
店内に備え付けられたソファに座ると、背もたれに体を預けペットボトルのお茶を一口飲み、それをオレに差し出してきた。
「ん、カラ松も飲む?」
「え?」
自然にそう聞かれ、返事に詰まってしまった。
確かにオレも少しヒートアップしていた為か、喉は渇いている気がするが・・・
しかし、これは所謂・・・関節キッスというものではないのか・・・?
オレがそう考えていると、ナス子もそれに気づいたのか「あ」と短い声を出して、お茶を引っ込める。
「ごめんごめん! 嫌だよね流石に。カラ松の分も奢ってあげるよ、ちょっと待ってて~!」
「え? あ、」
別に嫌とか、そういうんじゃなかったんだが・・・
誤解させてしまったらしい。
ん?普通は嫌なのか?
いやしかし、ナス子は俺のシスターみたいなものだ。
ブラザー達との回し飲みを間接キスとは思わないのと同じで、シスターのようなナス子との回し飲みは間接キスではないな。
「ほい、カラ松。炭酸でよかった?」
「ああ、サンキューだ、ナス子姉。しかし、別によかったんだぞ? シスターとの回し飲みを気にするオレじゃないぜ・・・」
「え?ああ、そうなの?まぁでも、もう買っちゃったし、ありがたく受け取りたまえ」
「フッ、そうだな。ありがたく受け取っておこう」
ナス子は元いた場所に座ったので、オレもなんとなく隣に座って、もらった飲み物で喉を潤す。