第76章 【R18】【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ3 【4・6男】
自分は誰よりもナス子が好きだということを自覚していたし、誰よりも早く告白して、誰よりも早くナス子を抱きたかった。
だが、全ては自分が行動をしなかったから、こういう結果になったのだと、一松はわかっていた。
もちろんタイミングやTPOの関係もあるが、それでも、踏み切らなかった自分が遅れを取った一番の理由だろう。
そして、未だ動けないでいる。
「…………る……?」
「え? なに? なんか言った一松兄さん」
ぶっきらぼうにそう聞き返すと、一松がすくりと立ち上がり、ソファに座っているトド松の元へとゆっくりと歩み寄ってくる。
「……する? 今から………」
「━━━━━━はぁっ?」
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そんなやり取りがあり、現在。
「なるほど、経緯はわかった………って、何にも なるほど じゃないからっ!!」
松達に内緒の一仕事を終え、台所で休んでいたのを居間に移動し、誰もいないのを良いことに床に横になりまさにダラダラとスマホをいじっていたナス子であったが、階段からドタドタと足音が聞こえたと思ったら、なんの説明もなしに突然2階に拉致され、何事かと声を上げたナス子に言った開口一番が以下である。
「なんで? なんの用って言われたからセッ×スしようって言ったんだけど……なんかおかしい?」
「理由も今説明したでしょ? 兄さん達とシたんなら、ぼくたちとだってシてくれるよねっ! 抜け駆けとかホンット許せないんだけど!?」
「そっ、それはわ、わかってるけどっ! 開口一番セッ×スしようはないでしょうよっ! まったくっ、デリカシーないんだから!」
「なにそれ、金になる?」
ぶんぶんと怒るナス子を横目にニヤリと笑う一松。
すると何故か一松にミケ子が擦りより、途端影の射した笑顔が消えて、一転、穏やかな顔でミケ子の頭を撫でる。