第11章 本日決戦日 チョロ松side
「まぁまぁ、とりあえずお茶でも飲んで聞いておくれよチョロ松兄さんよ」
うーん・・・聞いておきながら聞きたくないような。
あれだよね、父親と母親の恋愛話を聞かされているような感覚、きっとあれだ。
「ちょっと、人が真剣に相談してるのになんすかその目は」
僕のうわーと言う視線に気づき、軽く睨みつけてくる。
お茶を用意して僕の前に出し、改めて正座をしているナス子。
まずは落ち着こうとお茶を手にとり一息入れる。
「・・・で?どういう事?」
「あのね・・・」
それからナス子は、僕に十四松との腕枕の話、一緒に山に行った話、どこに行ったかはわからないけど最後に手を繋いだとかいう話をした。
「なるほどねぇ・・・そんなことが・・・、って!!! イケメンなの?! やってる事イケメン?! イケメンじゃん十四松!十四松なのにっ?!」
「私も同じ事思った!!!」
「コホン・・・つまりはいつもと違う十四松に、最終的にドキドキ、ギューという事か」
「まぁそういうこと・・・なんか色々は端折られてる気がしないでもないけど」
目を瞑って腕組みをする僕を、気まずそうにオズオズと見上げるナス子。
これまるで乙女だ。
どうしたナス子、お前はそんなヤツではなかったハズだ。
恋愛は二次元一択、芸能人以外のイケメンに興味ナシ、化粧もしない、お洒落もしない、休みの日は一歩も外に出ようとすらしない・・・正直もう女として生きていくのも見られるのも完全に諦めていたハズの、そんなお前が何故十四松にトキめいているんだ・・・
しかも十四松、しつこいようだけど十四松。
「チョロ松?」
僕は必死に脳をフル回転させた。
すると、ある可能性が浮き上がる。
結構明確かもしれない。きっとこれだ!