第75章 【R18】【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2 【3・5男】
「じゃあ、あれは?」
「えぇ、ムードって言うか明かりがちょっとピンクすぎて好きじゃないって言うか、初めての場所はもっとちゃんとした感じの雰囲気の……」
運転しているナス子と、正直早くナス子と結ばれたいと思う十四松はライジングシコスキーに溜息しか出て来ない。
「ねぇ、チョロ松。 別にもうどこでも……」
「はぁ? どこでも?! どこでもって言った!? そりゃナス子はもう初めての体験は終えてるからどこでもいいって言うかもしれないけどさぁ、僕らは生まれてこの方レスだったモノをやっと卒業出来るんだから、場所くらいはちゃんとしたいよね! なぁ、十四松!!」
と、言われましても、な十四松。
猫目を作り口を開けてあぁ、と息を吐くように声を漏らす。
「あのねぇ! 私が初体験終えてるからどこでもいいって言いたい訳じゃないんだけどっ、誤解を招くような言い方しないでくれない?! 十四松だってほら、困った顔してるじゃん」
ハンドルを握りながらムっとした顔をしたナス子だが、振り返る事は出来ずミラーごしからチョロ松を睨む。
その隣の十四松はまた二人の口喧嘩がこんな時に始まってしまったと少し呆れた顔だ。
「いや、お前が別にどこでもって言うからこっちがそう思っちゃった訳で、ていうかあの言い方だと絶っっっ対にそう思うよね! なぁ、十四松!!」
「あぁ……」
「だーかーらぁ、違うって! そういうニュアンスで言ったんじゃなくって、私はただそこまで拘りすぎなくてもいいんじゃないかなって思ってるだけだからっ! ねぇ! 十四松!!」
「……あぁ」
「いやいやいや、今の言い方だってそう聞こえてもおかしくないからね? 自分で自分の言ってる事理解してる?」
このままでは童貞卒業どころか喧嘩で終わって家に帰るハメになってしまうと喧嘩の犠牲になる五男は慌てて言葉を発する。
「もー!! 二人共喧嘩しないでっ、ボク達これからセ×クスするんでしょお?!」
「「ぅっ」」
一瞬……一瞬だけその事を忘れていたチョロ松とナス子。
関係性が関係性なだけにムードがないのがこの二人の特徴。
しかし、お互い好きという事だけは嘘ではない。