第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
「いやぁ、6人と付き合うって、てぇへんだなぁ~と思って……」
「ぅ……ぐ……仕方ないじゃん、もう始まっちゃったんだから」
「ってぇと……え? まさか姉さんもう」
口をポカンと開けてつい後ろで騒ぐ六つ子達を見てしまう。
誰が既に卒業したのか、それとももう全員?
さすがにそれはわからない。
「おぁっ、ごめ……! 違うとは言えないけど、そうともハッキリ言えない! でも待って待って!! それ以上は言わないでチビ太、それ言うとアイツらが反応してこっち来ちゃうかもしれないからっ」
「もう手遅れな所まで来ちまってるって事かぁ、オイラに出来る事は姉さんの頼みを聞く事しか出来ねぇなー」
ナス子が渡したお札をスっとナス子の手元に返し、それを返された本人は逆にキョトンとしてしまう。
「見舞金、込み、祝い金だ、バーロー! とっとけよ姉さん」
「い、いやこれは口止め料も込みと言いますか」
そう、他の兄弟に知られてはいけない事。
それは今日、これから、チョロ松と十四松とここから抜け出し彼らの想いに応えると言う事だった。
昼間に3人で話した事、真剣に話をする二人に結局の所絆されたのもあるのだが、一人でしていた葛藤は結局の所は全員の想いに応える事でコチラの心もアチラの心も満足できるのではないかと言う答えが導きだされた。
あの部屋の中、やはり相談に乗ってくれたのはチョロ松。
当の本人も混ざっているのに、いつも相談している相手が目前にいると、結局甘えて相談してしまった。
チョロ松や十四松の答えなどわかっているのに。
どこかで無理やりにでも納得させて欲しい理由がナス子にはあったのかもしれない。
なんせ昨日の夜、ナス子自身も初めてを体験したばかりで、そういう行為には慣れてはいなくどうしても身構えてしまうし、チョロ松と十四松が相手という事はその二人は初めてだという事。
同じ顔でも違うのだから、緊張するのも当たり前だ。