第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
「お願い、これ貰ってくれなきゃ居た堪れなくて逃げれない!」
「おいおい、逃げるって何言ってんだよ姉さん。もう向き合ってんだろ? アイツらとさ」
あぁ、このままではまたチビ太に色々話をしてしまいたくなる。
いつも気遣ってくれて聞き上手なチビ太相手だと、どんどん話をしたくなってしまうナス子はその場を立つと優しい幼馴染に感謝の笑顔を向ける。
「ありがとね、チビ太。ずっとイケナイ事をしてるって思ってる分、少し心が軽くなったかも……」
「いつでも話は聞いてやるからさ、また来いよ? 姉さん。 あ、聞くのは惚気意外、だからな! ケッケッケ」
「わかってますよ~、じゃあまた!!」
「おう、ちゃんと避妊しろよっ」
「ぶっ!! オイ、だからそれを言うなとっ」
「ケッケッケ、早く行っちまえ~」
チビ太のからかいに口を尖らせはしたが、6人と向き合ってると言われると、全員と付き合う事を選んだ身としては励まされた気持ちになれた。
後ろを見て、十四松と目が合い合図する。
すると十四松がチョロ松に合図を出す。
先にナス子がバレないよう抜け出し、一人一人と抜けて行くと言う単純な戦略を練ったが、それはいとも簡単に遂行できそうだった。
まだまだ騒ぐ兄弟達を尻目に、ナス子はダッシュでその場を離れて行くのであった。
カウンターの上にはコッソリと先ほどのお札がコップの下に隠されていたがその存在に気づくのは店の閉店間際にチビ太が気づくまでその場に隠れたままだった。