第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
そう言葉が喉まで出かかってはいたが、今日は大目に見てやる事にし早速いつも六つ子が注文してくるものを用意し始める。
「チビ太ぁ、ビールちょうだい」
早々に長男からノリノリで酒に手を出し始めた。
なんせ湯から上がって珈琲牛乳しか飲んでいない為、喉がカラカラな6人。
どこに行ってもお酒が大好きな六つ子達だ。
ナス子はキンキンに冷えたお茶をもらい全員で乾杯をしてそれを飲み干す。
「っぷはぁー! 生き返りますなぁ」
「ああ、ナス子はお茶を飲んではいるがやはり風呂上がりのビールはサイッコーだぜぇ」
「五臓六腑に染みわたるよねぇ~」
「チョロ松兄さんあんまり飲み過ぎないでよ? 後々面倒臭いから」
「そうだぞお前ら、今日は姉さんもいるんだしあんまり飲みすぎんなよバーロー」
言われたチビ太は普段はツケも払いもしない六つ子に自分から酒などおだてられない限りは出さないのだが、今日はナス子も一緒にいる為か少し優しい。
全員が目の前にある熱々のおでんを好きにとって行き皿に乗せて幸せそうな顔に変わった。
「んぐ。は~~ぁ、幸せぇ~、おでんっていつ食べても美味しい!」
「あいっかわらず姉さんは美味そうな顔して食うなぁ! おかわりもじゃんじゃんしてくれよなっ」
自分特性のおでんを褒められて気をよくしたチビ太。
おだてに弱いこの店主は早速追加のおでんを皿に勝手に乗せて行く。
「おい、チビ太! 俺らには言ってくんないのぉ? ナス子ばっか特別扱いしてズルいんだけど~」
「チビ太……あんまり甘やかすとナス子がまた太るから適度にお願い」
ちびちびとビールを飲む一松と、早速ほろ酔いが始まったおそ松が遠くの席にいるナス子を目を細めて見る。
ナス子はその視線と言葉をハッキリと聞きながら攻撃したくても出来ない相手達に仕方なく生意気な口だけは返していった。