第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
「へい、らっしゃー……あぁ、なんだ。お前らか」
開口一番、歓迎していませんモードのチビ太。
ニヤニヤしたおそ松が最初に椅子に座り、他の弟達も腰かけていく。
「へへ、チビ太若干久しぶり? お邪魔しまーす!!」
6人が席に座り、自分もと端に座り込む。
六つ子の入店に嫌そうな顔の店主ではあったが、もう一人の幼馴染が笑って顔を覗かせるとその顔色は歓迎モードに変わる。
「おー! 姉さんじゃねぇか! 久しぶりだな、相変わらず仕事が忙しいのか?」
「んー……仕事と最近増えた躾のなってないペット達の相手が大変でねぇ」
7人で座っている為席が狭いが全員気にはしなかった。
台に頬杖をつくナス子は呆れた口調と視線で横に目を向ける。
「ペット? 姉さんミケ子の他にも飼ってたの~?」
隣に座る十四松は意味がわかっていないでいるも、他の5人はその憎まれ口に気づきギクリと身体を揺らす。
しかしこの6人と交際する事になった事実はチビ太も知っていた。
聞きたくはなかったが6人が酒に酔いホイホイ口につい出してしまう為、聞かざるを得なかったと言うか。
あり得ない事だとは思うが実際そうなっているのだから仕方ない。
出来る事なら幼馴染であるナス子の目を覚ましてやりたいと思ってはいても、多分この六つ子相手ではまたナス子にしつこくするだろうと可哀想な物を見る目で相手の姿を見た。
「姉さん、ほんっと━━━━━━に……辛い人生を選んじまったなぁ」
「えぇ、まぁ……でも楽しい事の方がいっぱいあるからいいんだよ!」
ナス子もチビ太にバレているのは以前相談をした手前なんとなく察している。
この会話を聞いていればそのなんとなくも確信に変わるのだが。
「でっしょ~? 俺ら退屈だけはさせないよぉ?」
「そうそう、一緒に居て寂しい思いだけはぜーったいにさせないからねっ」
身を乗り出し、おそ松とトド松がニコニコと笑いかけると、確かにこれだけいれば退屈なり寂しい思いなりはしないだろうとチビ太は思う。
寧ろウザイんじゃねぇの?