第11章 本日決戦日 チョロ松side
「ごめん、ほんっとごめんチョロ松! まさかあの後、ああなって、ああ展開して、こうなるなんてっ」
僕は今、ナス子の部屋で腰のマッサージを受けている。
僕だって予想してなかったよ。
あの後、カート借りて荷物を運ぼうとしたら既に全部借りられてて、時間もないからとあの大量の荷物を全部手で持って運ぶ事になるなんて・・・。
ナス子は自分が多く持つと言い張ったけど、男としては当然僕が多く持ってあげないとって思ったから、なるべく重い紙袋を多めに持って行った訳だけど・・・。
まさかナス子姉の部屋に荷物を運ぶ際に、階段昇って腰にクルなんて。
僕まだ若いハズなんだけどなぁ~
いや、年齢は関係ないか。
悪いのはコイツだ。
何でエレベーターもないマンションなんかに住んでんだよ。
「そこ、もっと強めに」
「はい、お客様ー」
そのお陰と言うかそのせいと言うか、罪悪感を感じたナス子は今は僕の言いなりだ。
「もうちょっと下の方もお願いできますかねぇ、ああ、あと肩も痛いし、腕もパンパン」
「はっ! 喜んで揉ませていただきます!」
さすが、プロなだけあって気持ちいい。
ツボにも響いてジーンとくる。
はぁ、いいなぁこれ・・・こういうマッサージ機欲しいな。
目を瞑ってリラックスしていると、急にペロリと顔を舐められ、ビックリして目を開く。
あ、一松が時々可愛がってる子猫だ。
「ビックリしたぁ、急に顔舐めるなよ~」
みゃぁ~♪
「ミケ子~、それ一松じゃないよ~同じ顔だもんねぇ。でも、ちゃんとわかってるのかな、別人だってことは」
「動物は頭がいいからわかるだろ、お前じゃないんだし」
言うと、腰への指圧が急に強くなる。
「いーーーーーイタタタ!! ちょっと!もっと優しくっ」
「へーぃ」
リズムのいい動きと僕に丁度いい圧をかけて指圧と手の平で体をほぐしてくれる。
今日は朝も早かったし、気持ちよくて眠くなってきたな。
「あー、気持ちいー・・・」
「それは良かった。なんかチョロ松には迷惑かけっぱなしだね。スーパーだけじゃなくて、いつもイベントの時は一緒に荷物持ってくれたりするし」
「今日のナス子はいくらなんでも買いすぎだったけどね、今までで一番買ったんじゃない?」
「んー、どうなんだろ?わかんない」