第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
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「あ、ナス子来たな。はぁ~暑ぃ~……」
「今日は皆の方が出るの早かったねぇ! 我慢大会はしなかったか、あはは~、お待たせしやしたっ! 最近は日によって気温変わって来たよねぇ、暑い日もあれば寒い日もあるし、真ん中くらいの日が欲しいぃ~、暑い暑い~っ」
夜、何事もなく銭湯から出る7人。
電柱に備え付けられた街頭が照らす道を湯から出た熱さで手をパタパタ仰ぎながら歩いて行く。
今日の銭湯では、男湯でおそ松とカラ松に白羽の矢が立ち、弟達からの攻撃地獄。
勿論思い出してしまった長兄はタッティだが、兄弟の攻撃のお陰か所為なのかすぐ治める事が出来た。
しかしどこか様子のおかしいチョロ松と十四松がその場にはいたが、チョロ松はシコ松、十四松は十四松と言うジャンルで日常からおかしな事には変わりはなく、誰一人その事には気づかずにいた。
一方のナス子は銭湯から出た熱もあり頬が赤いが実はそれだけではない。
が、それも口には出せない内容の為気づかれないよう暑いを連呼する。
「いやぁ、暑いね!! でもこんな連日で湯に浸かれるっていいわぁ~、連休サイッコー」
「お前暑いって言いすぎじゃね? 気持ちはわかるけどさぁ。最初は仕事がどーの言ってたヤツがよく言うよねぇ?」
「黙れおそ松、もういっその事休みは休みとして満喫した方が勿体なくないからいいいの! って言っても、何故か今は松野家の家政婦みたいになってるけどねぇ~、あ~ぁ、面倒くさ~~い」
銭湯の帰り道をそれぞれ何人かずつの列になって歩きながら言葉を交わして行く。
だいたい突っ込んでくるのはおそ松が多いが他の弟達も会話に加わり出した。
「家政婦じゃなくって未来のお嫁さん、でしょ? そっちの方が言い方も可愛いよナス子姉」
「まっ、まだなるなんて言ってない! 寧ろ先にお前ら就職しろよ~っ」
「なるほど、ナス子は俺達が就職したら嫁になるという事か……しかし難しいな。俺は出来る事なら養われたいのだが」
付き合っても働く様子の見られない六つ子達。