第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
土下座をしていた位置から元の場所に戻るチョロ松の顔は真顔から真面目な顔になり、普段印象に残るナス子の中のシコ松とは違う瞳と声色で口を開いた。
「さっき、お前の事を無碍に扱ったのは悪かったって思うよ。でも好きな子が相手ならそういう事をしたいって思うのは当然だよね? いくらあの馬鹿長男とクソ次男が先に卒業したからって、それが理由でセ×クスしたいとは思ってないから」
長い付き合いの仲、このような恋愛トークを自分対象に向けられてしまうとムズ痒さと心臓の時限爆弾がチクタクと音を立てていくのだが、真面目に話す相手の眼を見ないと言うのは失礼だと、緊張したまま本心で向き合う相手と視線を交わす。
「━━━━━━━━本当に? 本当の本当に? 正直に言ってみて?」
「━━━━━━先に卒業されたのが、悔しいって気持ちは、ある。す、少しだけね」
「うむ、でしょうな」
「ボクも悔しいよ? 姉さんの初めての顔を見て見たかったなぁ~、どんな顔するのかなぁ~って、ずーーーっと思ってたから」
チョロ松と視線を交わしていたのだが、ニョキっと間に入った十四松は逆に一切の迷いも躊躇もなくその想いを告白した。
「素直か!!」
「姉さんも、素直になったらもっと可愛いと思うよ!」
素直、とは?
今ナス子は素直じゃないからセ×クスを躊躇っているのか。
結局の所、先ほどの自分がどうしたいかなどの葛藤はわからず仕舞いで何か答えが欲しい。
一度悩むとスッキリするまで納得がいかないし、出来るなら白黒つけたい。
ちゃぶ台に両手をつき、両手も組み少し黙って目を瞑る。
「━━━━━━━━━━……」
「ナス子?」
「姉さん?」
その答えは━━━━━━━。
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