第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
思い出されてしまったのは仕方がないが、何とかこの二人の記憶を抹消出来ないかと部屋を見回して鈍器を探す。
「ちっ、ハンマーもなければバットも二階か……」
「何をしようとしてるのか想像できる分怖いんだけどっ」
別に今は付き合っているのだからそんな事を思い出した所でこれから本番をいつかする事には変わりはなく、気にする必要もないのか、と考えを巡らせてはいるのだが、やはりあの日の7人でのあり得ない出来事は思い出したくないし思い出されたくない。
困惑した表情で頭を抱えるナス子。
チョロ松とナス子が混乱している中、反省から復活する一人だけは、いつもと変わらないニコニコ顔に戻りダボダボの袖を揺らし片手を上げて意見を述べる。
「姉さん! ボクね、あの日の続きがしたいなぁ。だってボク達あの時と違って恋人同士になったでしょお?」
期待した純粋な目で十四松に見られるとウっとなり少し身を引いてしまう。
断るのもおかしいし、では今からセ×クスしましょうとも言えない。
困ってチョロ松の助けを求め顔を見るが、中々顔を合わせてもらえなかったのでコチラから声をかける。
「チョロ松、あのっ……この場をなんとか収め」
きっと、親友でもあるチョロ松ならなんとかしてくれる。
悪酔いしていない限りは何かを察して助けてくれる。
そんな甘えた思いで声をかけたのだが、声をかけられた相手の表情はスッと真顔になってしまう。
「いや、思い出しちゃったんだし仕方ないよね。 僕だって今度はちゃんとした状態でナス子の事を抱きたいって思うんだけど」
「だ……だっ、だ……」
「姉さん脱糞ー?!」
「するかボケェ!!」
なんでこんな展開になってしまったのかとナス子は再度頭を抱え、視線を下に泳がせる。
でも、あの日と違うと言うのは事実で、今は恋人同士。
ベランダで一人葛藤していたのも嘘じゃない。