第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
こいつも失礼な事を言うし、イタズラはしてくるが動物セラピーなる一松セラピーなのだろうか。
ミケ子がやっとピョンと床に下りて一松の足元を前足でチョンとつつく所を目撃してしまい、その仕草に二人は同時にキュンと来て目を合わせ、また可愛い天使に視線を戻した。
体勢を胡坐に変えた一松の上に待ってましたとばかりに素直に飛び乗る動きを見ていると、二人はニマニマとその天使を見つめてしまう。
共にフワフワな毛並みを撫でながらホゥっと息を漏らす。
「癒される……」
「あぁ……天使だよねぇ~」
二人で心底癒されているとそこにゾロゾロろ5人の兄弟達も集まって来る。
「はぁ~つっかれたぁー! お前らな、もっとトイレくらい綺麗に使えよっ」
「そう言ってチェックしたら適当に掃除してたヤツがナニ言ってんの」
どうやらおそ松を見張るべくトイレまで確認しに行ったチョロ松。
想像通りおそ松は適当に掃除しておりダメだしの嵐だった。
やはりいつもと違う事をしていてもおそ松はおそ松に変わりない。
「ちゃんとやってたろぉ、チャッチャッチャ~のスパッパパ~って!」
「だからそれがダメだって言ってんの!」
ムッとしたおそ松はナス子に向き直り、不満そうに口を開く。
「ナス子マッサージして! 俺身体コチコチでカッチカチなんだけど」
「はぁ? 結局そういう流れになる訳ぇ?」
ちょっと見直していたのに早速これだ。
もうコイツは本当にどうしようもない長男だ。
だが家事をこなしてくれたので全員を労わるくらいはいいだろう。
おそ松の背後に回り肩に手を置くとそこを解し始める。
「あ~~~、気持ちいい~」
他の5人もそれを見て羨ましそうな顔をするが、なんとなく自分もとは言えずその様子をただ見つめていた。
「は~……調子いいんだからアンタは」
「いいじゃん、頑張ったんだし」
「その努力は認めるけどさぁ~」