第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
気づかない間に掃除だけでなく庭の草むしりもしようとしてくれていたようだ。
「ナス子姉、今日のお昼ごはんはぼくが作るから! ナス子姉はミケ子と二階でゆっくりしててくれていいからねっ、なんならゲームでもして遊んできなよぉ」
「へ?!」
今度はトド松が笑顔で近寄ってきて、居間に置きっぱなしだったナス子のスマホを手に乗せる。
「あ、いや、でも……」
「実家の家事もなんてことはないな……フ~ン、ただでさえナス子の家でこなしていたのだからコチラで出来ても当然なのだが。家事をする……俺、ハハ~ン」
今度は得意気なカラ松がナス子にクソ顔をキメている。
一体何がこの6つ子に革命を起こしたのか。
先程キレた事で心が改まったのかと考えるナス子だが、やはり付き合いが付き合い、先程の自分の葛藤とは裏腹にどうしても裏の裏を読んでしまう。
「ふぃ~、こんな狭い部屋でも掃除って面倒臭ぇのなぁ。母さん毎日よくやるよぉ」
「そこ! 黙ってないで手を動かす!!」
「わーかってるよ、ったくシコ松の癖にうるせぇなぁ」
「シコ松じゃないから! チョロ松だからっ」
会話を聞いていると、何も言って来ないし何もしようとしてこない。
寧ろ二階で寛いでゲームをしていいと言う許可までもらった。
「あ、の? ……これは一体?」
「姉さん、姉さん! 廊下の雑巾がけも終わってまっせー!!」
十四松がナス子に向き直りビシリと敬礼をする。
「は……はぁ」
ついついされた側のナス子も敬礼して返してしまう。
「あーっ、俺もうだめ! 疲れたぁ! 俺も二階に行ってナス子と一緒に寛いじゃだめぇ?」