第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
日頃どんなにドライでも怖がり屋なトド松、若干キレモードからのおかしなテンションに変わったナス子を恐怖した目で見ると泣きそうになり何とかその仕草を押える。
「くっ……う、ぅ……………知るか、ばぁか」
怒られていると言うのにさすが乾物、泣きそうになるのを堪えたまま、下を向きズボンを手に握り一言二言と話し始めた。
その勇気あると言うか、間違った発言に一瞬チョロ松がたじろぐが、そんな3男の事はトド松は気にしていない。
「知るかよ、ぼくはね……一生しんどい思いはしたくないの! ずっと童貞のまま生きて我慢して、なんて……そんな人生考えらんないよ……じゃあね、チョロ松兄さん、ナス子姉さん」
そう言うと、トド松は自分の乳首を服の上から思いっきりつまみ……
━━━━━━━━━━ブチィ!
「ぎゃあああああぁ、乳首マジで取らないでぇええ!! 血、血ぃ噴き出てるし!! さすがにお姉ちゃんそこまでする気なかったんだけどぉ?!」
「自らあぁぁぁ?! なんって美しいんだよぉ!!」
あまりに怒りすぎて逆にやりすぎたかもしれない。
トド松は一種の自殺行為に走ったが、ナス子は持っていた絆創膏を慌てて気絶したトド松の傷口に張り付けた。
でもまぁ、いつも虐められる側なので、たまにはいいだろう。
なんかもうこの際本当の意味で死亡さえしなければ何でもいいような気がして来た。
見ると既に残るはチョロ松となっており、他の5人は一塊に蹲ったりぶっ倒れたりと狭いスペースになんとも言えない光景が広がる。
なんだか全員に報復したらもうどうでも良くなったナス子。
寧ろスッッキリしている。
残りのチョロ松の乳首にも攻撃してやろうと思ったが、そこはグっと堪えてニッコリ笑い大きく伸びをした。
「チョロ松、後の事は頼んだ! 期待してるわよ~チョロ松ぅ!! さ、洗濯機止まったし洗濯しよーっと」
結局の所、ナス子が怒っていた理由は十四松が当ててくれた言葉しか全員には伝わってはいないのだが、きっと親友でもあるチョロ松なら察して他の兄弟達にも伝えてくれるだろうと期待を残して洗濯カゴを持つ。
スッキリした気分のまま、鼻歌を歌いながら6人を残し、ベランダへと向かって行くのであった。