第11章 本日決戦日 チョロ松side
「綺麗な絵だね。BLには興味ないけど」
六つ子の中でナス子姉が腐女子という事を知っているのは僕だけ。他の人には絶対秘密しろと言われてる。
まぁ、誰にでも一つや二つ隠しておきたい事くらいあるよね。
ていうか、こんなアホで全く恥じらいもへったくれもない女に今更こんな隠し事されても、皆驚かないと思うけどね。
それよりもっと他に気を使って隠さなきゃいけない事とかいっぱいあるでしょ。
「あとね、今日はNLカップリングも結構多かったんだよ!このカップリング好きなんだよねぇ~」
「雑食だよねぇ、ナス子は」
「色々見れた方が面白いし、得じゃない?」
うん、それは確かにそうかも。
BLには興味ないけど、本当に。
「チョロ松にも今度見せるね!読んだら好きになるのもあるかもしれないし」
「まぁ、見るだけなら・・・」
昼を食べ終わり、午後の合戦が始まる。
会場にいる人の数も更に増えてきた。
ナス子はとりあえず今にも破れそうな紙袋達を空いていたコインロッカーへ入れ、新しい紙袋を取り出し準備している。
「まだ買うの?」
あれだけ買ってまたそんな紙袋持って・・・
普段出不精なナス子の姿はどこへ?
「暫くはそれをオカズに食いつなぎますからー」
「女がオカズとか言うなよ、下品だな」
「むっ、女とか男とか差別はんたーい!」
そうだな、目の前のコイツは女じゃなかったな。
ついいつも突っ込んじゃうけど、生物学上は女ってだけで、中身はオッサンのようなものだった。
「僕は終了時間までいるつもりだけどナス子姉は?」
「特に決めてなかったけど、多分終了時間まで回り続けると思う」
「じゃあ、終わったらまたここに集合でいいね?」
「了解!」
再び待ち合わせをした後、僕らはまたそれぞれの戦場へ向かうのだった。