第11章 本日決戦日 チョロ松side
「い、いやいやまさか!! さささ早速郵送しちゃおうか迷ったんだけどさー、送料も考えるともう何冊か買えちゃうし、帰ったらすぐ読みたいなぁとか思っちゃってー、あははは」
いつもいつもいつもいつもほんっとコイツには計画性ってものがない。
少しは学習してもいいと思うんだけど?!
いや、ナス子姉の頭には学習と言う2文字は存在しないんだなきっと。
「目、目が怖いっすチョロ松さん!」
「あぁ?」
「なんでもありませんっ」
「は~~~っ・・・・・・」
多分僕の人生の中で、コイツと長男についた溜息は一番多いんじゃないかと思う。
呆れて突っ込む気も起きない。
いちいち反応してたら時間がなくなっちゃうよ。
「・・・とりあえず、早く昼食べようか、時間が勿体ないし」
「あ、うん! どっこいしょー」
言いながら僕の隣に姉さんが座る。掛け声が完璧におばさんである。
「チョロ松はどうなの? 順調?」
僕の足元においてある紙袋を見て興味津々に聞いてくる。
「まぁ、僕の場合は最初からちゃんとした段取をとって行動してるからね!今の所は順調だよ」
僕に限って失敗とか順調じゃないとかあるはずないだろ?
と胸を張る。
「ほうほう、どんなの買ったの? 見せて見せて~」
「だーめ、これからの時間もあるんだからゆっくりなんてしてられないよ。今度ね今度!」
「確かに周りたい所いっぱいあると時間足りないもんね。今度絶対見せてね」
「はいはい」
二人それぞれ持ってきたおにぎりを頬張る。
午後の為に、体力はつけておかなきゃ。
「ナス子姉、いっぱい買ってるけど欲しいものは買えたの?」
「もちろん! そこは計画通りでございます参謀!」
別にお前に対してはなんの指令も出してないけどね、僕。
何も言ってないのに紙袋から数冊の同人誌を取り出して表紙を見せてくる。
「ほら、これ大手さんの新刊! この人の話ホント好きでさ~」
出した雑誌はBLの表紙で男同士が抱き合ってるやつ。
この女、本当に恥じらい皆無だな。
普通幼馴染の、しかも相手が男の僕に嬉しそうに見せてくるか?
まぁ今更気にしないけどさ・・・