第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
「はぁ、やっぱりね。そうだろうとは思ったよ」
「俺も……なんとなくそんな気はしてたけどね。コイツが一番我慢とは程遠いヤツだってわかってるし」
「おそ松兄さんが姉さんの処女もらっちゃったんだよね! どうだった?! 宇宙? 宇宙だった?」
他の兄弟とは違い、やっとナス子から離れて十四松もいつもの定位置に座りながらおそ松にキラキラしたわんこの瞳、尊敬の眼差しを向ける。
「宇宙ってか、もう……サイ━━━━━━━━━……っコーだった……」
恍惚としたおそ松の表情はまるで鼻が高くなり、甘栗むいちゃいました的な……一皮むけましたと言うような表情だ。
「はい、邪魔ー。どいてー、邪魔ー」
「熱っつ!! トド松っ! 手にポットのお湯かかってる、かかってるから!!!」
死んだカラ松、今すぐ殺してやりたいおそ松を余所に、ナス子は今のうちにと騒がしく質問や矢がコチラに向くよりも前に、慌てて朝食を口に放り込んで行く。
この場を早く逃れようと早食い選手権でも初めているようにほぼ噛まず、飲み物を流し込み口に入るものを必死に食べて行くのだった。
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着替えも済ませ、今日も一日家事仕事。
松代や松造が与えた、増やされた仕事の休みは明日で終わる。
どうやって休みを増やしたのか謎ではあるが、会社の友達や上司からLIMEで、
『大変だろうけどけど頑張ってね、こっちは暇だし大丈夫だから』
というような似た文面のメッセージを貰った。
本当にどのような説明をしたのかと気になるが恐ろしくて聞くに聞けない。
今日、明日を乗り越えればこの慣れない家事仕事や平穏なマンションでの生活が返ってくる。
逆に今日家に帰ろうとすれば、もうナス子がいつまで休みか知ってしまった六つ子がしつこくしてくる事などわかりきっている為、帰るに帰れないでいた。