第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
「だああああああぁあ、お前ら黙れええぇぇ!!」
質問されている本人とカラ松はまた顔を真っ赤にして、一瞬だけ二人が目を合わせると恥ずかしそうに下を向いてしまう。
しかしこの状況から最愛の人を助けなければと珈琲をナス子の前に置き、全員に両手を広げカラ松が演説を開始した。
「フ……いいだろう、新品を卒業せし女神に愛され選ばれたこの、カラ松が! 昨日のセッ×スの一部始終を事細かに説明し━━━━━━━ああああぁ!」
「黙れこのクソ松ぅうううううう!!」
ちなみに、今のクソ松発言はナス子である。
他の兄弟と言えばゴクリと唾を飲み込み、股間を押えて期待顔で待機だ。
朝から本当に何を話しているのやら……。
当の本人もそんな事を話されたら堪ったモンじゃないとまだ空っぽだったご飯茶わんをカラ松の顔面にクリーンヒットさせその場で昇天させる。
しかし致し方ない事だろう、既に自分達のナス子の初めてを貰いたい、と言う思いは叶わなくなってしまい、六つ子で、同じ女性を愛してしまったからこそ様子が気になってしまう、それは男としても当然の事だ。
が、しかし━━━━━━━━━━
初めてを貰ったのはカラ松ではない。
カラ松は二人目、言ってしまえばナス子の処女を捧げた相手を見ていたに過ぎない。
「おはよう、みんな。犯人コイツだったよ! あ、コイツって言っちゃったぁ、へへっ! ぼくったら朝から兄さんにコイツとか言っちゃってごめんね☆」
「なんだよっ! まだ黙ってようと思ったのにっ、トド松にハメられて話しちゃったしっ、ていうかいきなり話の途中で目潰しされたんだけどっ、お兄ちゃん泣くよ? 目ぇ潰されても血の涙流すからね!!」
半ばトド松に引きずられるようにやってきたおそ松。
合意の上でのセッ×スだったハズなのだが、まるで悪い事をした犯人扱いだ。
若干予想はしていたと言う細い目をした面々達。
仕方のない事だと納得は出来ていても、どこかで納得しきれずいつもの場所に座るおそ松の顔を睨み呆れたような、がっかりしたような態度を出して行く。