第72章 【R18】【逆ハールート】主婦は偉大だ
「死刑っ! バッチコーイ!! 死刑っ! バッチコーイ!!」
ブンブンと風を切る十四松の釘バットが、カラ松の頭スレスレを通ると、カラ松の顔からどんどん血の気が引いていく。
「………っふ、どうやらこれまでのようだなぁ……グッバイ、カラ松ガー」
「ヨイッショ━━━━━━━━━━ッ!!!」
「ああああああああ━━━━━━━━ッ!!!」
最後まで言い切るより前に、カラ松は夜空のお星様になった。
部屋の壁にベタリとくっつき、自分の身体を抱き締めて冷や汗をかき、必死に気配を殺しているナス子。
だが当然消えられるはずもなく、四人の視線を一身に浴びると、ドッと血の気が引いて大量の汗をかく。
「━━━━━━━っ、いっ、あのっ、ごごごごめっ、どどどうしてもそのっ、こ、断りきれなかったっていうかっ、流されてしまったというかっ……!」
のそりと四人がナス子を囲い、一斉に見下ろすと、ナス子は縮こまって誰一人の顔も見ることが出来ない。
悪いことはしていないはずなのだが、怖い。
思わず正座になって膝の上で硬く握り締めた己の拳を見つめる。
「ナス子」
「ナス子……」
「ナス子姉さん」
「ナス子姉……」
「はっ、はいっ………っ」
怒られることを覚悟して、ナス子がぎゅっと目を瞑り罵詈雑言に耐える心の準備をすると、次の瞬間四人にいっぺんに抱き締められ、驚いて目を開ける。
「「「「僕達にもさせてよぉ!!」」」」
「は…………はぁぁぁぁぁあぁ?!?!」
わいのわいのと途端に押し倒され、服を脱がしにかかってくる兄弟達を必死に宥めると、襖の下敷きになっていたおそ松が復活して、てっきり止めてくれるとばかり思っていたのにまさかの参戦をする。