第72章 【R18】【逆ハールート】主婦は偉大だ
「ぐ、ぐぐぐ!!」
「おいおい、まだ逃げようとすんのぉ? 俺も怖いし緊張するのは一緒だって言ったろ?」
二人の間から逃げ出そうと身じろいで見るのだが、それも適わずやはり抑え込まれてしまう。
嫌ではない、嫌ではないのだ。
「は、恥ずかしいよ……おそ松、カラ松……」
その言葉は、ただ二人の色欲を昂らせるものにしかならず、ナス子の懇願は全くと言っていい程通じてはいない。
台詞を聞き、呆気にとられた顔をして目を合わせる長兄。
フフっと二人で笑ってしまい、またナス子の顔に視線を向ける。
「大丈夫だ、ナス子。 お前の嫌がる事だけはしない、多分」
「そーそー! ただ俺らもさぁ、限界が近づいて来てたって言うの? 可愛い彼女がこーんな近くにいて手を出せないなんて生殺しでしょぉ」
ドキリと心臓が跳ねる。
とうとうこの日が来てしまったのかと身構え、ナス子はギュっと目を瞑った。
「恥ずかしいのは、お前だけじゃないでしょ。 俺らも童貞捨てるんだし、一緒だよ」
「長男に同意するのは不服ではあるが、おそ松に同じだ。 怖がらせるつもりはない━━━━が、こんな可愛い姿を見てしまうと多少手加減出来ないかもしれない」
「お前が怖がらせるような事言ってどうすんだよカラ松っ」
「ハっ、す、すすす、スマン! つい愛しいナス子を前にして理性が吹っ飛びそうになったと言うか……」
本当にこの六つ子達はムードという事を知らないらしい。
と言っても、もうナス子の脈は跳ねる一方でそれどころではない。
「…………、ふっ、不束者ではあり、ありますが……その」
「「え?」」
「ちゃんと、覚悟はしてたんだかから! あの、手加減アリの感じでお願い、シャス……」
上げられたままのキャミの所為で肌にかかる空気が冷たいが、胸の上に置かれたままの手だけはとても熱く感じた。
「ほ、ホントにいいんだな?! このまま食べられるからな? 俺に!! 食べられるからな……俺に!」
「い、いい!! 来い!」
「その言葉、確かに受け取ったぞナス子」
最早これがこれからセッ×スをする男女の会話なのだろうか。
色気すらない感じではあるが、この3人というか六つ子とナス子ではこんな感じになってしまうのだろう。