第11章 本日決戦日 チョロ松side
「ナス子姉こそ早いじゃん・・・て、イベントの時はいつもこんな感じか。普段からこんな風にしてればもう少し体も健康的になるんじゃないの?そんなんだから風邪引くんだよ」
この前風邪を引いて、トド松が看病をしに行った事を後から聞いた。
相変わらず体調崩しやすいよなぁ。
「普段から健康に気を使ってたら、うつされたりしない限りそう易々風邪なんてひかないよ?っていうかさ、なんでお前はいつもそういう所抜けてるかなぁ?もっと色々考えて・・・」
「だーーー!! もう!! 朝から煩いな! お母さん?! チョロ松私のお母さんなの?!」
「お前のことを思って言ってやってるんだよ!」
「はー・・・わかったわかった、わかりました~! 気をつけます!普段から!」
ナス子姉の口からはぁ、と白い溜息が漏れる。
そういえば、今日は今期一番の冷え込みになるって天気予報で言ってたような。
まだ午前の早い時間。
寒さが身に染みる。
「で?風邪はすっかりいいの?」
「もー完治しました~! おかげさまじゃないけどっ」
いや、そんな頬膨らませても全然可愛くないからね。
ナス子姉は上着のポケットからスマホを出し、視線をそちらに移した。
電車やバス、それと今みたいに行列に並んでいる時、多くの人達は今のナス子姉みたいにずっとスマホをいじってる。
当たり前の光景になっちゃってて気にしたことなかったけど、みんなスマホで何やってるんだろ?
そう思いつつ、ナス子姉のスマホの画面を覗き込む。
「なに?」
「いや、何してんのかなって思って」
「ソシャゲ。今日ログインするとダイヤが10連ガチャ一回分貯まるなーって。待ち時間暇だし、今受け取っておこうと思って」
「ふぅん?」