第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
「車で行く? 荷物重いし」
「お前の家まで行くの~? まぁ近いしいいけどさ」
横に並び歩きながら会話をして、きっと今日も結構な量を飲むだろうと予想するナス子は一度家に行き車を出すと提案をする。
だがしかし絶対に悪酔いまでは飲ませないと調節配分だけは考えてはいた。
「そういえばパチンコでいくら勝ったの?」
「秘密~、言うと金返せって言われるからな!」
「言われても言われなくても返さないでしょうが……一度も返ってきた試しがないんだけど?」
「え~、そうだっけぇ?」
なんとなしの会話をし、数十分ですぐにマンションに着く。
「いや~、こういう時ウチが近いと便利だよねぇ! 車出してくるからちょっと待ってて~」
マンションの入り口に到着し、車の鍵が家に置きっぱなしだった事を思い出し自分の家へと戻って行く。
てっきりおそ松はその場で待っていると思ったのだが、何故かナス子と一緒に部屋へと向かった。
「別に下で待ってればいいのに、わざわざついて来なくっても」
「いいじゃん別に~、てかちょっとだけゆっくりしようぜ?」
言ったおそ松が、ナス子が玄関を開けるとグイグイと中に押し入る。
しかし今日一日ほぼ休憩らしい休憩をとっていなかったナス子。
自分の家に帰るとやはり疲れはどっと出てくるもので、おそ松に続き家の中に入って行った。
「はぁ~~、やっぱ自分の家が一番落ち着く~……」
テーブルの前に寝転がり天井を見つめて大きく息を吐く。
「やぁ~、落ち着くなぁ……」
同じく隣で寝転がったおそ松も息を吐いて寝転がっている。
「お前の家じゃないからね?! ここ私の家だからっ」
「だってここ第二の寛ぎ空間だよぉ? それに煩いお前がいたとしてもアイツらがいないってだけで十分落ち着くって言うの?」
煩いとは心外だが、あちらの家にいる時は大人数を相手にしている訳で、いくら恋人達と言えど少々おそ松の言葉に賛同してしまう。