第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ

　ちょうどいいタイミングで居間の扉が開く。

「たっだいま～！！　いやぁ、聞いてよ！　チョロ松のお陰で今日は勝てたんだけどっ、凄くね？！　今日は寿司取ろうぜ寿司ぃ！」

「ふふーん、ぼくも大勝利！！　あ、居間が綺麗になってるっ、二人共掃除してくれたんだね、ハイ、お土産のマカロンだよっ」

　頑張っていたチョロ松の思いを吹っ飛ばすかのように次々帰宅する兄弟達をチョロ松が思い切り睨みを利かせて叫ぶ。

「お前ら！！　タイミング悪すぎるからっ！！」

「何を言ってるんだちょろまぁつ？　そろそろ夕方だろ？　飯の時間もあるし寧ろいいタイミングだと思うが」

「もしかしてナス子に何かしようとか企んでたんじゃないよね、シコ松……、外に全員出したから少し怪しいとは思ってたけどちょっと早めに帰ってきてよかったかも」

「たっだいマーッスル！！　あはぁ、一松兄さんと野球してきたよぉ」

　内心全員の帰宅にホっとするナス子。
　しかし先ほどのチョロ松の発言はどうしても心の中から離れないでいた。

　自分はこの6人と付き合い、誰とどうなるか、覚悟は決めてもわからない。
　平等に愛するって言うのは難しい事だと再度溜息をつくのだった。