第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
少し遅くなってしまった昼食は皆個別に食べて来てくれたらしく、チョロ松とナス子も適当な物で済ます。
少しだけ楽が出来てナス子も一安心だ。
後は夕食、おそ松のお陰で今日の夕飯は寿司を取る事になり、またしてもラッキーな事に家事から逃げられたと内心喜ぶナス子。
他の兄弟達も寿司が好きなので誰一人文句は言わない。
松代もいないので6人で居間でゴロゴロ各自好きな事をしながらTVを見たりスマホを弄ったりとしている最中。
「あ、やっべ! 酒なくない?」
「酒?」
「せっかくお寿司取るんだしお酒も一緒に飲みたいよねぇ~」
「はぁ……そんな事言ってただ毎日お酒飲みたいだけの癖に……」
おそ松とトド松が口々に言う。
他の面々からも何やら期待の目で見られ、これは買い物に行けと言う事だろうと納得する。
「くーっ、松代さんがこっそりお金置いていってくれたのを見つけておいて良かったわぁ……」
「はぁ?! 母さん金おいて行ってたのぉ?! 俺らにも言うよね普通っ」
勿論おそ松は文句を言うのだが、どうせ言った所でパチンコか何かに使われるのは明白だ。
「おそ松兄さんに言わないのはいいとして僕には教えてくれても良かったのに、ナス子よりか管理もちゃんと出来ると思うんだけど?」
「いいじゃないか、未来の嫁として金銭管理も練習のうちなのだろう……着々と準備が整っているじゃぁないか」
カラ松、嫁の準備をしていた訳ではない。
これはただ六つ子に渡るとロクな事にならないと思ったナス子が黙っていただけである。
「まー、確かにチョロ松には言っても良かったかもね、余計な一言が多いですけども!」
「姉さんいくら? いくら入ってたのー!?」
十四松が喜んで近づいてくるがスっと目を細めてその質問は一蹴りする。
「ひーみーつー! 金額言ったら何に使うだの言い始めるでしょ、アンタ達はっ」
「ちっ、バレたか……」
素直な一松が舌打ちをし、やはりロクな事に使わないんじゃないかと呆れた顔になってしまう。