第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
「いいよ? けど条件くらいはつけても構わないよねぇ?」
「へ? 条件??」
「うん、僕に触らせる事。 それ以上もそれ以下も認めないからね。 恋人同士なんだしいいでしょ? 嫌じゃないって言ってたし」
ポカンとした顔を返してしまうが、触らせると言うのはどこまでなのだろうかとみるみる赤くなる。
「やっぱ、一人で掃除しまs」
「もう遅いから、ほら! さっさと掃除するよナス子」
もうこうなったチョロ松相手だと止められない。
仕方なく立ち上がり、掃除用具を手にすると鬼の指導の元、掃除が始まった。
はぁ、家事ってホントのホントのホントーに面倒臭い!!
そして小姑チョロ松も、四角い所を丸く履いてしまうナス子に対し文句と説教の言い放題だ。
「ちょ、チョロ松……ちょっと休憩をば……」
「さっき一旦休憩したばっかでしょナス子は、口よりも手を動かす!!」
「いえっさー……はあ、どうしてカラ松まで出かけちゃったのぉ~」
ついまた癖で口に出してしまった、いつも優しく手伝ってくれる紳士のような危ない狼カラ松。
けど頼りになるし困っているとすぐ手を差し伸べてくれる。
それは勿論チョロ松も同じだが、チョロ松の場合は口がついてくるのでそれを聞いているこっちが疲労困憊してしまう。
「カラ松? もうそれも卒業しなよ、正直彼氏の一人としては面白くないんだけどね」
「わ、わかってるけど……」
言われて窓を拭き、天井に叩きもかけている。
顔に埃がかかってしまいケホケホと咽てしまった。
「もー、普通は口に何か巻いてやるのが常識だろ? あ、その常識すらわからないんだったね、ナス子は」
「ぐぐ、今日のチョロ松はいつにも増して辛口じゃございやせんか?」
「そんな事ないって、僕はいつでも普通だしマトモな人間だから」
さも自分だけは真っ当だといつも6人の中で豪語しているチョロ松だが、ナス子はチョロ松の趣味を知っているし性格だって把握している。
一度拗ねたら面倒臭いしすぐキレるし根に持つ。