第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
「んぅっ、っ……っん」
唾液を吸い取られるかのように口内を貪られ、背筋がぞくぞくと総毛立つのを感じた。
しばらくそんなことを繰り返して、やっと満足した十四松が唇を離した時には、ナス子は息も絶え絶えとなってしまっていた。
「っ……じゅーしまつっ……!」
「はちみつレモンの味! 甘酸っぱくてんめーね!」
「ばっ、ばか……っんぐっ、げほっげほっ! や、やばっ! 飴飲んじゃっ……!」
脳が酸素を取り込もうとして思わず大きく息を吸い込んでしまい、その拍子に飴が喉の奥へと移動してしまい、急に飛び込んできた異物感に思い切りむせる。
「げほっげほっ! かっ……じゅ、じゅー、し、まつ……あとは……たのん………がくっ」
「ね━━━━━━━さ━━ん!!」
その後、ナス子を抱えた十四松が大慌てで居間に飛び込んできて、ことの次第を聞いた兄弟達がナス子をたたき起こして熱いお茶を飲ませ、無事事なきをえたのであった。
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