第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
邪魔な真ん中を陣取って寝転がったままスマホをポケットから取り出しゲームのログインを始める。
一つ、二つ、三つ……最近やってないゲームもあるがログインするとログインボーナスが貰える為、念の為に全部チェックしているのだが、今はその作業すら面倒だと思うとメインゲームだけとりあえず起動しログインをする。
「「「「「…………」」」」」
ゲームを始めるナス子を無言で見つめる5人。
そんな視線など気づかず休憩ダラけモードに入った本人はいつものように遊び始める。
「お前さぁ、よくそんなふっつーに出来るよなぁ」
おそ松が呆れた口調で言葉を放つが意味がわからない。
いつもゲームは普通にやっている事なのに何故急にそんな事を言うのか。
もしかして家事をサボるなと言いたいのだろうかと思う。
「す、少しくらい休憩したっていいでしょ? 彼女にだって人権ありまーす!」
「いや、そうじゃなくてさ……お前昨日寝る前に何言ったか覚えてる?」
「……………………忘れた!!」
ちゃんと覚えているし、もう3人も同じような質問をしてきたのだ。
だから言いたい事もなんとなくわかる、六つ子故にきっと考えもリンクしてる部分はあるのだろう。
「え、姉さん忘れちゃったのお? じゃあボクがもう一回言ってあげるねっ」
「十四松!! 待って、覚えてる! 冗談、冗談だからっっ」
慌てて起き上がるナス子にいきなり十四松がとびかかる。
「とぅっ!!」
「ぎゃぁっ」
そのまま、また床に仰向けになってしまい十四松の体重全部がのしかかり、巻き付かれて床をゴロゴロと一緒に転がされていく。
「なななな、なにいきなり! 目が回るんですけどぉ!?」
「あはははははー、だって姉さんボクらの事怖いって思ってなかったなら触ってもいいって事でしょお? だからいっぱい遊ぼうと思って、姉さんで!!」
何を急な危ない発言をしているのだろうか。
脳は回転しているが身体も回転している為グルグルと緊張で身構えたくても身構えられないし十四松が楽しそうだと思うと許してしまいたくなるのは、十四松というジャンルが相手だからなのだろうか。
それにこれはセクハラでもなんでもなくただ転がされて本当に遊ばれているだけだ。