第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
「三人目? ……他にも聞いてきたヤツがいるという事か」
「うん、一松とトド松」
「……何か、されたか?」
ピリピリとした空気を感じる。
これはいつも面白くない事があった時や怒っている時のカラ松の空気だ。
掴まれた手に力を込められると力が強いカラ松の圧は痛い。
「? 恋人同士なんだし何されてもおかしくないんじゃ……んむっ」
「…………っ?!…ん!……んんっ」
急に引き寄せられ、唇に吸い付かれる。
一松やトド松とは全く違う、貪るようなキス。
まるで何かを奪いとるかのように何度も角度を変え激しく口内を舌で攻められる。
二階の部屋からは見えなくても、ベランダなのだから外からは見えてしまう。
急な口付けに驚き一瞬その事を忘れていたが思い出すと思い切りカラ松の胸を叩き激しく抵抗をするナス子。
「や、やめ……っ……んん……んぅっ」
「……っ、んっ……恋人同士なら何をされてもおかしくないと言ったのはナス子だ」
激しい抵抗にやっとカラ松がナス子を開放すると力強く抱きしめて胸に埋める。
息継ぎすら難しい激しいキスに肩を上下させ思い切り空気を吸い込み、またもジタバタ抵抗した。
「そ、そう言ったけど! 言ったけども!! ここ外だからやだっ、離してよ、誰か近所の人に見られたらどうしてくれんのさっ」
「いいじゃないか、見られたって」
この六つ子達との交際は秘密と言う話をしたばかりだと言うのに早速暴走をする空っぽ人間。
この青い狼は本当に学習をしない。
行為自体は嫌ではないが場所がダメだ、全く離してくれる様子のないカラ松にナス子は足を思い切り蹴り上げてカラ松のカラ松に攻撃を食らわせる。
「グホォッ!!━━━━━っっと、突然……ナニを……」
その言葉を最後に、やっと恋人の身体を開放し痛そうな股間を押えて蹲ってしまうカラ松。
少し可哀想とも考えたがやはりカラ松の行為に怒り、一瞥するとフンっと息を漏らしてブルースカイの下、一人を置き去りに二階の部屋に入って行った。