第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
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着替えを済ませて洗濯機へ向かっていたのだが目前に洗濯カゴを抱えている人物がいる。
大きい洗濯カゴの為顔は見えず近づくと相手はカラ松だった。
「あれ? カラ松、その洗濯物は?」
「あぁ、これか? もう洗ったから後は干すだけだが」
なんと、あんなにマンションでも掃除洗濯をこなしてくれていたカラ松であるが自宅では家事は一切しない。
そんな相手が自ら自宅で洗濯をしているという事に驚いた。
「えっ?! やってくれたの?!」
「マミーはいつもの事のようにこなしてはいるがナス子はまだ慣れていないし一人では大変だろう? 俺も一緒にやるから早く済ませてしまおうじゃないか……そして、そっその後は……」
既に干すだけになった多い洗濯物を抱えてカラ松はグっと口を噤み下を向く。
よく見ると顔が赤い気がする。
付き合い出してから自分もだが六つ子もよく赤い顔をするようになったなと思うと、本当に付き合っているんだなと自覚してまたムズムズと気持ちが痒くなってしまう。
「ありがとう、カラ松ー!! いやぁ、助かりますなぁっ。 えっと、その後って何? どっか行くの?」
「……いっ、いやいやいや!!それは後で構わないっ。 さぁ、サンシャインもブルースカイも俺達を祝福してくれている!! ……さっさと干してしまおう」
「へへへ、何言ってるか途中わかんないけど何だかんだ言いつつカラ松はいっつも甘いし優しいよねぇ! でもそこが有難いと言いますか……頼りになるよね!」
「ほ、ほんとか! マンションだけでなくこの家でも俺は頼りになっているか?!」
キラキラと発光する目で見られるとさすがにナス子も眩しさに目を瞑ってしまう。
頼りにされる事が本当に嬉しいカラ松、だが今はナス子に頼られる事が前提で喜んでいるという事にはナス子は気づいてはいない。
「うん! すっごく頼りになるっ、いい恋人を持てて幸せだなぁ~なはははは」
自然に頭をかき調子に乗って惚気た事を言ってみたりするナス子。
てっきり何か言われるかと思っていたが、カラ松が荷物を下ろし急に抱き寄せてくる。
「おわっ、ちょっと?!」