第71章 【逆ハールート】主婦は偉大だ
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全員が朝食を食べ終わり、着替えるべく二階へと上がって行く。
ナス子は片付けがあるので残りの皿を持ち台所へ再度向かった。
洗い物をしようと皿に水をつけ、スポンジに洗剤を垂らし多い食器を洗い始める。
この量を毎日洗っている母は凄いとまた尊敬してしまう。
「ナス子姉、手伝うよ。 一人でその数洗うのは面倒だし大変でしょ? いつもは母さんがやってくれてるけどさすがにナス子姉は慣れてないだろうし。 洗った食器拭いたりしまったりするよ」
「うぇ? トド松が手伝ってくれるなんてめっずらしぃ~、一体どういう風の吹き回しなのかなぁ? まさか何か欲しいものがあるとかじゃないでしょうねぇ……」
「あのねぇ、ぼくは女の子、特に彼女には優しくするって決めてるの! どんなに相手がナス子姉だとしてもそれは変わらないから!」
「っ、またお前は人を残念みたいに言うんだからー」
言い返すが特に気にする事はない。
寧ろトド松が自分から何かを手伝ってくれる事が嬉しく感じ自然と口端が上がる。
食器を洗って拭いてもらうようそれを渡そうとしたが、急に背中に体温を感じ少し慌ててしまう。
食器乾燥機係だったハズなのに何故にそれが食器洗い機を抱きしめているのだろうか。
「トド松。手伝ってくれるんじゃないのかいっ」
「えー、だって彼女が台所に立ってるんだよ? 兄さん達も二階に行っちゃったんだし二人きりでしょ? 少しくらいイチャイチャしたっていいじゃ~ん」
「……うっ、動けないんだけど」
皿洗い中で手も濡れているし抵抗する意味もないと言えばないので放置。
トド松に背後から抱きしめられて肩に顎を乗せられている。
「ねぇ~ナス子姉、昨日もう聞いちゃったんだしもう触ってもいいんだよね?」
言葉にピクリと反応をして一気に緊張が高まる。
抱きしめていた手が服の上から上半身に移動し胸の上に手を重ねられてしまった。