第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
「う、う、う……」
これはドSスイッチが入りそうな表情だ。
放っておくともっと違う事になるとわかると一松の肩に手を乗せて軽く自分の口を押し当てすぐに離す。
「した!!」
「…………短くない?」
「でもちゃんと私からした!!」
「~~はぁ、年上のお姉ちゃんなのにキスも恥ずかしくてマトモに出来ないの? もうキスは何度もしてるからやり方くらいわかるよねぇ?」
「ぐぐぐぐ、うぉりゃっ!!!」
「ブゥホォッツ━━━━━━━っっ」
言いたい事も、したい事もわかるがここで大人しく言う事が聞けないのがナス子だ。
手近にある枕を掴むと思い切り一松の顔にぶつけて一松が衝動で後ろに倒れる。
「……………お前らもじゃ━━━━━━━━━━!!」
何個もある枕を手に持ち、近づいていた恋人達の顔をめがけて枕を投げまくると上手い事に全員の顔にクリーンヒットさせられた事に満足気に笑みをもらした。
「なはははははは、どうだ! ナス子さんのコントロールを舐めてもらっちゃぁ困るぜっ」
「ちょっ、ナス子姉! この空気で枕投げとか普通するぅ?!」
「ィヨイッッショ━━━━━━━━━━っ!!!
「っわぎゃっ!!」
枕投げに進んで参加した十四松がナス子に向かってそれを投げ返すと、無残にも一松と同じような体勢で背後に倒れ込んでしまうが、すぐに横に転がる枕をまた掴み適当に投げつける。
「ウボゥっ!!」
「おそ松、アウトー」
「枕投げか……フーン、いいだろう! このカラ松がこのクソ政権にピリオドを打ち最終的にはマイハニーナス子を手に入れ……アーウチ━━━ッ……誰、これ投げたの」
まさかのシコ看板がカラ松の頭にぶつかる。
勿論投げたのはナス子ではないのだが、その場はもう既に先ほどの色気のあるムードや気まずいムードなどは流れてはいなく、全員が子供に返りその辺の物を手にとり投げつけあって遊ぶ恋人との遊びというよりも、昔のままの幼馴染の遊びに戻っていた。