第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
「誤解を招くような言葉がもう怪しいんだけど!」
カラ松は普通に会話をしているのだが、全員にジトリと視線を向けられ動揺する。
まるで叱られた子犬のようになりながらも、勇気を出して名乗り出た所は可愛いと思ってしまい、チョロ松から離れてカラ松の頭をワシャワシャと撫でる。
「嘘嘘! そんな悲しそうな顔しないでよ、言い方は怪しいし一番危ないヤツだとは思ってるけど嫌じゃないよっ」
「そっ、そうか! では……抱きしめても、いいだろうか」
「勿論、ていうか、こ、恋人なんだしそんな許可いらないよね?!」
「そそそそ、それもそうだな……」
おそ松やチョロ松と違い、カラ松は伺うようにそっと腰に手を添えて抱き寄せる。
胸に顔を埋めたナス子はカラ松の脈の音が聞こえ、それが大きく振動している事がわかると自分と同じだとクスリと口端を上げた。
「優しいよね、皆……いつも酷い事ばっか言ったりするけどさ、こんな年上な私なんかを大事にしてくれて、えと……カラ松も、ありがとう」
「なんか ではない。ナス子という可愛いハニーだからこそ俺達は大事にしているんだ、そこを間違ってはもらっては困る」
「ハニーは嫌だ」
「フッ……いずれ慣れる、さ」
カラ松はハニーと呼ぶ事をずっと諦めないらしい。
抱きしめていた腕に力がこもり息苦しくなる程、身体と身体を密着される。
「……っ、か、カラ松、あの苦しっ」
顔を上げると、軽く唇を合わせられる。
五人が あっ と言う表情でそれを見て固まった。