第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
「おお、ハモった……」
一松が言うと、何故かハモった事に拍手をされてしまうチョロ松とナス子。
二人で目を合わせると何がおかしいのかわからないが笑いが漏れてしまう。
「六人いると大変だよねぇ、お前も」
「でも皆の事好きになっちゃった訳だし仕方ないよねぇ」
親友でもあると言う位置が安心出来るのか、二人は抱き合いながらも普通に会話を交わす。
「うーん、でもそっかぁ、お前も初めてかぁ……だから逃げてたってのは納得いったよ。 さすがに初めての身で六人相手とか辛いってか逆に怖いって思わなかったのが凄いとは思うけど、よく今日も泊りに来たよね」
「怖いのは嫌われたらヤだなって方だよ、まぁ、今日は付き合って初めての泊りで緊張はしてたけども……それでも皆が普通に接してくれてたのもなんとなくわかってたから甘えてしまったと言いますか……」
何故チョロ松相手だとこうもスラスラ言えてしまうのだろうか。
コイツは何かマイナスイオンでも発しているのか?
いつも説教ばかりの煩いライジングシコスキーなのだが、困った時は一番に相談に乗ってくれるし心配もしてくれる。
そして付き合いも一番深い相手だからこそ、安心するのだろうなとナス子は思うのだが、それでも恥ずかしさは隠せず口を尖らせたまま横を向いてしまう。
おそ松もきっと、ナス子の気持ちを察していたからこそチョロ松にナス子を差し出したのではないだろうか、多分……ではあるが。
「交代だ、チョロまぁつ」
チョロ松の体温と会話に緊張していた空気も少し落ち着いていたが、そのチョロ松の肩にカラ松が手を置き恋人を差し出すよう促す。
「はいはい、アイツ暴走するとヤバイけど大丈夫? ナス子」
「ね、アイツはなんだかんだでおそ松より危ないとは思うけど」
「えぇ?! そ、そんな事!! 俺に抱かれるのは嫌……か?」