第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
前々から松代からのこの六つ子プッシュはしつこい程に受けていた。
しかし今はもう松代の知らない所でそんなプッシュ共と恋人関係になってしまっている。
だが、そんな恋人相手にまだ何もさせていないし、させようとはしていない。
六つ子達も手は出すと言ってもナス子の本当に嫌がる事は酒に悪酔いしていない限りは絶対に無理やりにはしない。
それはナス子自身もわかっていた事だったのだが、既に付き合って結構な日にちが経過しており、そろそろ六つ子達の理性と言うものも限界を迎えつつあるのも本当だ。
それに止めを刺すかのように親からこんな物を受け取ってしまい、7人……特に六つ子は戸惑う他ない。
銭湯で妄想をして、期待はしていたのも事実だったが、今日の泊りでは、なるべくナス子の前でその事は意識しないように気を付けようと松野家六つ子会議で決められた後だった為、余計に緊張が隠せずゴクリと同時に固唾を飲む。
「あー……これは一応、確認の為に聞くんだけど……ナス子の手紙にはなんて書いてあったの?」
出来るだけ平静を保とうと頑張りながらも語尾に若干震えが残るチョロ松がそう聞くと、ナス子はうっと表情を詰まらせ手紙をぐしゃりと胸に握り締める。
「へ?! いいいいや、大したことは……っそっちの手紙と大体一緒っていうか……! 一緒! 要するに言いたいことは一緒なんだと思うっ!」
「いやそこ隠す必要あんの? 見せてよナス子姉、気になるじゃん」
「い……いい、けど………はい」
差し出された掌に持っていた手紙を置くと、トド松はそれを広げて手紙を朗読し始める。
「 親愛なる未来の娘へ
義父さんと義母さんは二人でお泊り(ry)ます
息子達の為に料理まで習いに来てくれてありがとう
やっと娘になる決意までしてくれて感動しています
不甲斐ないニート達ですが今後ともよろしくちゃん
童貞なニート達なので手ほどきお願いします
一人とは言わず好きなだけ持っていってください
追伸……
職場に連絡してお休みを増やしてもらっておきました
暫くは帰らないのでニート達を頼みます
未来の義父さん・義母さんより」