第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
「 親愛なるニート達へ
父さんと母さんは二人きりでお泊りに行って来ます。
いきなりの思い付きでお泊りデートとか出来るなんていいだろう
働いている大人っていいだろうニート達
ぱっとした思いつきで宿泊デートできちゃうんだよね~
へへへへへ
また数日は帰らないからよろしくちゃん パートツー 」
「うーん、相変わらず感じが悪いな」
「感じ悪ぅ~、親に煽られちゃった」
「追伸……」
この手紙前にも似たのを聞いた事あるし見た事あるんだけど、と思う6人であるが、また前回と同じように追伸まで付けられ動揺は隠せないでいるも多少目が呆れてしまう。
「前もって叱っておきます。
なぁにやってんだお前ら━━━━━━━━━━!
せっかく親がチャンス作って出かけてやってんのに
なぁにをやってるんだ━━━━━!! 恥を知れ馬鹿野郎!!
お前ら6人も大の男が揃ってて何も出来ないとか何やってんだっ!
このクソカス童貞野郎共!!
一人でもいいから早くナス子ちゃんをモノにして孫の一人でも二人でも見せろクズニート!
松代、授かり婚大賛成っっ
以上……父さんと母さんより」
書かれた内容をブルブルと身体を震わせながら、追伸文だけは力を込めて読む一松。
言われた五人はポカンとしてナス子の顔を見てしまう。
視線に気づいたナス子は、困ったように自分に宛てられた手紙で顔を覆って赤く動揺する自分を隠した。
まさか料理を習いに来ただけのお泊りで、こんな事が起ころうとは。
恋人達の家にお泊りだ、何かあるかもしれないとも思っていた自分もいるし、このままいつものように楽しく過ごして終わるかもしれないと思ったのも事実。
寧ろ一番驚いたのは、六つ子達からのアプローチではなく、その生みの親たちからのアプローチである。
「…………わ、わぁ、視界が真っ白だ~ははは~~」
「そりゃ、手紙目に当ててるしね」
「ナス子姉、ボケるにも程があるよ、突っ込みづらいし」
「うぅ~~……チョロ松、トド松、うううう、煩い」