第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
銭湯に到着し、7人は男女別の入り口に到着する。
「7人で銭湯もいつぶりだろ? 仕事始めてから全然外出てなかったしこうやって皆で遅くまで一緒にいる時間も減ってたもんねぇ」
「変わりに俺らが遊びに行ってやってたけどな!」
「遊びにと言うより邪魔しに、が正しいっ」
男女別の暖簾をくぐろうとしながら、付き合ったからと言っても変わらないおそ松とナス子のやりとり。
「お前が寂しいと思って遊びに行ってやってたんだろ~? なぁチョロ松ぅ」
「いや、何で僕にその話題振るのかわかんないんだけど……? 僕はナス子の邪魔はしてないし逆に迷惑かけられてる方だから」
「おい、シコダイスキー煩いよっ」
「シコダイスキーってなんだよ、誰だよ!!」
「ぷぷっ、新しい名前が出来たねぇシコダイスキー兄さんっ」
ナス子の新しいネーミングに全員が肩を震わせて噴き出す。
チョロ松が反論して叱ってやろうと目を向けると既にナス子の姿は消えており逃げられた事に舌打ちをした。
「ったく、アイツは……彼女になってもほんっと可愛くない!」
「そんな事言って……、どうせ銭湯の中のナス子の事妄想して大変な事になっちゃうんじゃないの……?」
諦めて六人も暖簾を潜り脱衣所で服を脱ぎながら会話を広げている。
ムスっとした顔のままのチョロ松だが、一松に言われた言葉にカッと顔を赤らめてしまい否定しようにも否定の出来ない表情になってしまった。
「銭湯のナス子、か……フフ、きっと艶やかで頬を上気させてセクシーな感じになっているに違いない……」
「ちょっと、やめてよそういう事言うの!」
「姉さんエロセクシー?」
服を脱ぎタオルで大事な所を隠しながら銭湯に入ると全員で身体を洗う。
何かを期待しているのか、いつもより洗い合う時間が長くなっている事に6人は気づいてはいない。
湯に浸かり、大きく息を吐く。
「は~~~、本当にこれ、現実なんだよね……目が醒めたらいつもの普通の日常に戻ってて、ただの幼馴染で弟、とかなんないよね」
「いちまっちゃ~ん、なにおっそろしい事言ってんの?! これ現実だから!! ていうかもしこれが夢だったら逆にずっと醒めなくていいわぁ」