第10章 秘密 一松side
「・・・・・へぇ? ていうか、なんでめでたしめでたしみたいな流れになってんのそれ」
なんもないとは思うけど怪しい。ていうか動きもおかしい。
何故か頭を抱え真っ赤にした顔のまま汗をかき、頭を机にごんごんぶつけている。
さっきのデコをぶつけた衝撃でとうとうおかしくなったか・・・。
思ったより馬鹿が馬鹿になるのは早かった。
「いや、怖いよその動作。ミケ子もビックリするからやめてくんない?」
「あ、ごめん!! っれー・・・おっかしいな、なんで・・・相手は十四、ぶつぶつ・・・」
まだ訳わかんない事言ってるし。ていうか早く言えよ。
どう見たってナス子の目が泳いでるし、俺に隠したい何かがある事は一目でわかる。
この奇行だけはワケわかんないけど。
俺がこの家に無断でよく行き来してる事も『特別』で、『一番』、『秘密』もあったはずなのに、俺以外のヤツと違う秘密が出来てるのが気に入らなく感じてきた。
「なんか顔赤いし、虫が殺虫剤かけられたような動きしてるんだけど・・・。
なに?人に言えないような事でもしてきたわけ?
はっ、まさか十四松とそういう関係にでもなっちゃったの? お前家の中ではこんなダラダラと干物女してても、外ではやる事はやってる淫乱女だったってわけ?」
ちょっとムカついたから嘲笑交じりで責め立ててやる。
絶対ないと思いつつも、顔を赤くするナス子の様子が気になるし、俺が知らない所でってのがまたムカつくんだけど?
しかも相手はあの十四松、絶対に何もないと思う相手だと思ってたんだけどね・・・。
って言ってる俺もおかしいな、俺はコイツの彼氏か?!いや、違うだろ。
別にこんな女どこで誰と何してても関係ないハズなんだけど、ムカつく。