第10章 秘密 一松side
「ふー、楽しかったけど体力使ったー!!! コタツ最高~♪」
俺の向かいにナス子が座り、ミケ子はコタツの中に入って行った。
「体力使ったとかどこの山まで行ったわけ、普段外に出かけない干物女が・・・」
「ぐっ、絶賛ニートのいちまっちゃんに言われたくないんだけどぉ?!」
「・・・あ、ナス子姉は油ものってそうだよね」
「それも嬉しくないんだけど?!」
ニートの言葉は聞こえないフリ。てか俺がここで寛いでる間、十四松と何をしたのか気になる。
なんでも今日は二人で秘密の練習場所に行くとかなんとか言ってたし・・・。
「山の他にも行ったの?」
「ん? 秘密ー!!!」
俺の言葉に対し、まるで子供のように歯を見せて笑ってくるナス子。
全然可愛くない。
「じゃぁ、山で何してたの?」
「えっとねー、山では一緒に虫見たり花みたり時々どんぐり拾ったりスケッチ、したり・・・」
俺がまっすぐナス子を見てると指を折りながら何をしたか楽しそうに話し始めた。
やってる事が小学生だな、コイツら。
「あとはー・・・」
もう一つ指を折ろうとしてナス子の手と表情が止まった。口を開いたまま顔が赤くなってる。
・・・━━━━━まじか、怪しい。まるで女みたいな行動だ。
いや。コイツ女か。いや、メスか?
「・・・なんかあったの?」
二人に限って何かしら俺が想像するような事は絶対起こらないだろうし
いくら十四松でもナス子相手に血迷った真似をするはずがないと思った。
だってナス子だし。
食指が動くハズもないでしょ。
もし食指が動くとしたらあれだ・・・、ラブマゲドン的に相手が男も女も残り少なくなった時とか・・・。
「べ、別に何も! 普通に一緒に遊んで楽しく遊びましたとさっ・・・って、あれ?あれ?」
ナス子は頭を抱えて何か考えているかのような動作をしはじめた。おかしいだろ、どう見ても。