第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
「このアニマルセラピーみたいな感じは一体なんなのだろうか……はぁ、落ち着く~」
「ちょっと! ナス子姉っ、こっちも待ってるんだけどぉ?」
まるで順番を待たれているかのようにトド松や他のメンバーにも注目されている。
おそ松も面白くなさそうな顔をしているが、お前はもうさっき散々甘やかしただろうと突っ込みを入れたくなってしまう。
結局、それぞれのお願いを叶え、トド松は膝枕。
十四松は一松と同じで頭を撫でる。
チョロ松は背中トントン、それでいいのかチョロ松。
カラ松は何も言っては来なかったが、チラチラとナス子を見る様は何かを求めているようだったので、カラ松の頭もポンポンと撫でてやると嬉しそうな笑みが零れて安心した。
それからまた拗ねた長男の相手をする……という無限ループが始まる。
本人が選んだ道なのだから仕方ない。
愛しいという気持ちだって間違いはないのだから、ナス子も少々面倒とは思いつつも彼らを甘やかしてしまうし甘やかしてやりたいとも思ってしまう。
求められたら返したいと思う自分は、もう完全に手遅れなのだと理解している。
しかしながら……そんな7人ではあるが、ナス子は以前決意を固めたと言っていても、まだ何もさせてはいないし、そういう意味で触ろうものならすぐ鉄拳、背負い投げ、ドロップキック、股間殺し蹴りを炸裂している。
素直になると言っても長年の年月が邪魔をするのだ。
他にも大きな理由があるのだが、まずは清く楽しいお付き合いをしましょうをモットーに少しづつ関係を深くして行こうとは思っていた。そんな事などおかまいなしな六つ子は早く童貞を卒業したい。
プラス、自分の想い人と結ばれたいと言うテンションからか隙を見れば手を出してこようとする。
実際、今の所許してるのは、ハグ、キスのみだ。
このままではまた危ない事になるのでは?とループのご機嫌取りを続けていたが、タイミングよく下の階から松代の声が聞こえ夕食の時間になった。