第69章 【逆ハールート】花見
「そんなに深く考えなくて大丈夫だって~! つぅか、深く考えたら俺らとなんて付き合ってられないよぉ? 疲れちゃうよ? 別に悪いことしてるわけじゃないんだし、そんなに後ろめたく思うこともないない」
「「「「「 ないない~! 」」」」」
ここで何故か、何に、かはわからないが乾杯を取る六つ子。
何が面白いのかゲラゲラ笑っている六人の様子を見て、自分が色々心配していたことが馬鹿馬鹿しく思える。
「そっかぁ、そういうもんなのか~」
楽しそうにする六つ子を相手に段々ともうどうにでもなれと言う感情が芽生えてくる。
自分をそうやって今まで励まし、元気付けてくれた相手だからこそ、気のおけない幼馴染でもあるし好きになったのだ。
「ほんっと、アンタらといると飽きないわぁ~落ち着く~」
「えぇ? それは惚気? 惚気なのナス子姉? 最近やけに素直になってきたよね?! 一体全体どうしたの?! ぼくビックリして心臓飛び出しそうなんだけどっ」
お前に心臓があったのかと突っ込みを入れたくなるが、そんな事を言われてしまうと、どうしても生意気な口を聞きたくなり言い返したいとも思ってしまう、しかしそこはグっと堪えニコリと笑う。
素直になれない自分はもう卒業したい。
「ま、まぁ……そうとってくれても構わないけど?」
だがしかし出る言葉と言えばツンデレになってしまっている事にナス子は全く気付いていないのだが、そのナス子の態度を見るとまたも微笑ましく、優しい表情の六人に注目される。
六人の表情に居た堪れなくなると、途端顔が赤くなってしまい誰とも目を合わせられなかった。