第68章 【番外編】おっちゃん
よくはわからないが甘えてくる弟達が愛しく可愛く見えてしまい一人一人とハグをする。
きつく抱きしめられた様子に、本当に何があったのかとは思うが、こんな小屋の中にいたら何かしら精神も病むのだろうと考えた。
「あ、外の霧が晴れてるよ!! もう大丈夫そうっ」
「そうだね、十四松……ねぇ、ナス子、さっき外に出た時何か見つけなかった?」
「ゲ、何故外に出た事がバレているのだ……!!」
秘密にこっそり外に出たハズなのにバレていた事にマズイと言う表情をするのだが、怒っている様子もないのでホっと一息つく。
「外に出る時くらいは一言くらい欲しい所だけど出ちゃったものは仕方ないしね、一松も言ったけどもし何か見たならそこに案内してくれないかな?」
多少の説教はあったがチョロ松もいつもより煩くはない。
立ち上がり、少し恐怖はあったものの、外に出ると霧も晴れ、お日様の光が差し込んでいる。
先程の場所へ向かうと、その太陽の光は転がってしまっていた石達の場所を照らしていた。
「は~……これが墓ぁ? 小っちゃ! ていうかこれ誰が作ったんだよったく~」
「まぁ、それは俺達にもわからないからな、とりあえず戻そう」
「少しでも友情が芽生えたんだしこれくらいはね」
「十四松、その花どうしたの?」
「ん? そこに咲いてたー!!」
「いいねぇ、いっそデコっちゃう? 可愛い感じにっ」
6人の会話を聞きながら心底意味はわからないが、どうやらこの場所は墓だという事を聞き多少恐怖するナス子。
だが、嫌な感情は全くなく、十四松、一松、トド松と共に花や草を使い墓をデコる。