第68章 【番外編】おっちゃん
バナナの皮が落ちていた。
せっかく猿の前であざ笑いながら食べようと思っていたのに!
「アンタ達私が寝てる間にバナナ食べたな?! ちょっといいバナナ買ってきてたのに!!」
「んー俺らが食ったって言うかなんつーか……」
「あれ? でもなんか私の口の中にバナナの味が……っ、もしかして私寝ながらバナナ食べてた?!」
口の中の味を確認するとそれは間違いなくバナナの甘い味がした。
唇をペロリと舐めて確認するがそれもやはりバナナ味。
「なーっはっはっは、夢遊病にでもなったんじゃねぇのぉ? さすがは猿の親戚でもあるよなぁお前!」
「ううううう、煩いな! 記憶ないんだから仕方ないでしょお」
文句を返してはいるのだが、なぜか6人はナス子を優しい目で見つめている。
一体何があったのかとは思うがその視線が恥ずかしくなり下を向いてしまう。
「なぁなぁ、ナス子姉ちゃ〜ん! ちょーっと抱きしめてよ!! 他はなんもしないからっ、な? な?」
「嫌ですけど?」
「あ、ボクもー!!」
「よーっし、おいで十四まぁつ!」
「おい!! なんで十四松はいいんだよっ!」
「だって十四松はしつこいけどアンタと違ってセクハラはしないし?」
早速ナス子の腰に飛びついた十四松を抱きしめるとポンポンと背中を叩く。
「わはー、姉さんあったけぇね!! いい匂い! いい匂い!」
「ナス子姉、ぼくも姉さんにポンポンしてほしいなぁ、なんて……」
「はははは、なに? 皆今日は甘えん坊モードなの? トド松もおいでー、おそ松も!仕方ないからハグしてあげるよ!」