第68章 【番外編】おっちゃん
「………ん~、ふわぁ、よく寝たー!! なんか珍しく寝起きスッキリしてる気分なんだけどっ」
「やーっと起きたかこの寝坊助ナス子め! 俺の膝がお前の重みで死ぬ所だったわぁー、あー足痛い!!」
正真正銘のいつも通りのナス子が目を覚ますと、信じられない事におそ松の膝に頭を乗せられ眠ってしまっていたらしい。
「うわっ、ごめ!! 全然気づかなかった! ってか重みとか言うのやめてくれますかね? 重いのは認めるけどレディに対して失礼だぞコノヤロウ!」
「うーん、やっぱりナス子はこう生意気で残念な所がないとダメだよね」
おそ松の身体から起き上り、チョロ松を睨む。
一体全体何があったのだろうか、最後の記憶は変な石が崩れた所で終わっていたため訳がわからない。
「煩いなチョロ松、私が生意気で残念なのは今に始まった事じゃないでしょうが」
「……まぁ、そうだよね。 逆にしおらしくされても気持ち悪いだけだし、そのままでいいんじゃない、たまに可愛気出してくれれば、さ」
「一松まで言うか! 寝起きから酷くないですかねっ」
「姉さんおはよう!! いい夢見れた??」
十四松が顔を覗き込むとナス子はキョトンとする。
いい夢と言われても何故か夢の中ではおっさんが女の子に恋をしている夢を見ていた気がする。
「うーん、いい夢と言うか不思議な夢だったかな? 知らないおじさんと女の人が出てきたよ」
「え、そうなの?! やっぱりそっちもリンクするんだねぇ~」
「んん? トド松どういう事?」
「あ、いやいやいや、こっちの話だから気にしないで! うんうんうん」
様子のおかしい末っ子を見て首を傾げるが、目の前に落ちているものを見て急に大声を上げる。
「あ━━━━━━━━━━!!!」