第68章 【番外編】おっちゃん
「おー!! 何で嬢ちゃんがバナナ持ってるのか謎で仕方ないけど食っていいの?! おっちゃんバナナ大好きよっ」
差し出され、ウキウキとバナナを剥きむしゃむしゃ食べるととても幸せそうな顔をする。
「ははは、もう何十年ぶりにこうやって何かを口にしたかな? 嬉しいなぁ、友に囲まれて、飯食って、念願の女の子の身体に入って、思い残すことはないかもなっ!!!」
幸福感に満たされたおっちゃんINナス子の身体は白く神々しく光りが差し込んでいた。
その様子に全員がおっちゃんが成仏するであろうと言う事が理解でき、少し寂しさが沸く。
「おっちゃん! もしまた生まれ変わっていつか会えたら、今度はナス子を俺の彼女として紹介すっから!!」
「ん~? おそ松、お前はナス子の事を好きと認めてなかったんじゃなかったのか?」
「はぁ、それでも言動と行動で見え見えだったけどねぇ」
「天国とか想像つかないけど、いい所だといいよね」
「ボクまた会えるの楽しみにしてるからね!!」
「本当はおっちゃんなんかと現実で遊ぶのは嫌だけど、寂しいなら飲みに付き合ってあげるからねっ」
6人全員が涙腺を緩ませおっちゃんを見る。
その可愛い人物達に微笑み、最後の言葉とばかりに付け足す。
「いいか? ちゃんと素直に伝えるんだぞ? 後悔したら本当に辛い人生になる。どんなに自分に自信がなくても……この嬢ちゃんはお前らの事ホントは………アッ、お迎え来たっぽい、天使見えるもん!!」
「ええぇえ?! 俺には見えないけど?!」
全員が挙動不審で辺りを見渡すが何も見えない。
ただ白く輝くそれは段々と下から上へと昇っていき、最後は一つの玉になりピカピカと輝いていた。