第68章 【番外編】おっちゃん

「お、おっちゃん………い、いいか？」

「お、おそ松……、うん……いいよ、優しくしてね」

　おっちゃんがノリノリになってナス子を演じる姿はもう本人にしか見えない。
　いや、寧ろ本人よりもしおらしく女の子らしくて可愛いかもしれない。
　男性の理想は男性にしかわからないのであろう。

「じゃあ、後ろ向いて！」

「痛く、しないでね？」

　おっちゃんＩＮナス子が後ろを向き服を捲し上げる。
　おそ松は唾を飲み込み緊張した面持ちでゆっくりとそれに近づく
　が急な額への暴風に身体が跳ね飛ばされる。

「ボゥエバァッッ━━━━━━━━━━！！」

「え？」

　自分の身体が今何をしたと言うのだろう。
　ふと行為を思い出すと、何故かナス子の足が天高く振り上げられ、おそ松を蹴り上げたのだ。

「ちょ、ちょっとぉ？！　おっちゃんここまで来て酷くない？！　俺超ビックリしたんだけどぉっ？」

「え、え？！　違うよっ、おっちゃんじゃないよっ？　おっちゃんは同胞で童貞でおっちゃんに優しくしてくれるお前たちの味方だぞっ、けど……何でだ？　ナス子ちゃんは確かに寝てるハズなのに身体が勝手に……」

「はぁ？！　どういう事ぉ？」

　もう一度試してみようとしたが、やはりおそ松は蹴り飛ばされる。
　試しにと他のメンバーもチョロ松以外は挑んでみたのだが誰一人として無事にブラに手を出す事が出来ず吹き飛ばされたり殴り飛ばされたりしてしまう。

「……はぁ、はぁ、ど、どういう事だ！　ナス子に触れようとすればする程激しく突き放されている気がするのだが」

　床に両手を着き肩で大きく息をするカラ松。
　勿論他の兄弟達も一緒だ。