第68章 【番外編】おっちゃん
7人、丸くなって小屋の中に座り込んでいる。
ナス子こと中身がおっちゃんはニコニコと大人数に囲まれ嬉しそうだ。
「それにしても大の大人で男のお前さん達とこの嬢ちゃん一人って随分変わった組み合わせなんじゃないの? どういう関係? 親戚ぃ? それとも……誰か彼氏なのかな?! うははは」
嬉しそうなおっちゃんは一般的な疑問を好奇心で尋ねる。
その言葉を聞いた6人は押し黙って顔を赤くしてしまうが、やがて一人口を開く。
「幼馴染だよ、もう長年一緒にいるから姉みたいなモンだけどね! そいつ今は見た目はそんなだけど普段はもーっと残念でお洒落もしないし態度も悪いし口も悪いし、俺相手だといっつも喧嘩になんの!! 中身おっちゃんの方がまだ可愛いかもっ」
「ほほう? でも赤い兄ちゃん……えっとおそ松だっけかな? おそ松はこの姉ちゃんの事好きなんだなぁ~ん~~? 顔真っ赤だし汗凄いぞぉ、うぃーーー!!!」
一人楽しそうなおっちゃんである。
「そんな訳ねぇし!! お、お俺はナス子の事なんか……」
やはり素直になりきれないおそ松はそっぽを向いてしまうが、その隣に座るまたも顔を赤くしていたチョロ松が顔を上げてナス子の顔を見る。
「ねぇ、おっちゃん。 ずっと聞きたかったんだけど、ナス子の意識は今どうなってるの?」
「ん? この姉ちゃん? 今は眠ってるよ?? だって人格が二人いたらややこしいし大変でしょお? 一応姉ちゃんの心の中は繋がってるから読めるけど、今は意識もないし会話とかは出来ないよ」
心が繋がっていると発言されると、6人がピクリと肩を揺らす。
「ほ、本当かおっちゃん!! で、ではナス子が俺達の事をどう思っているのかも……その、わかって、しまう、のか?」
カラ松がたどたとしくも皆が思っている事を代表して言っている。
神妙な目が一つに集まりおっちゃんを見るとおっちゃんは楽しそうに笑う。