第68章 【番外編】おっちゃん
「え、なに?! トなんだから、あってるでしょー?! さっきの仏様の名前とかよりかわかりやすいしっ! 何でそんな目で見るのっ」
「さすがトド松、しりとりすらあざとくやとろうとするなんて、合コンで鍛えられた知恵がそうさせているのか」
呆れたチョロ松の言葉にトド松は澄んだ瞳で首を傾げる。
暇つぶしのしりとりが白熱し、終止符を迎えたが予想通り負けてしまったのは十四松だった。
「あー……負けたぁ! もう一回! もう一回! 次俄然本気出す!!」
「え~、十四松兄さん危ういし、しりとりはもういいよぉ! ていうか結構長く続いたから疲れちゃったよぼく」
「なはははは、十四松はしりとり弱いなぁ~! 罰ゲームなんにすっかなぁ~」
長い事しりとりをしていた為、既に頭の中から罰ゲームと言う文字が消えていた一行がおそ松の言葉でそれを思い出す。
「ぃヨッシャー!! どんとこーい!!!」
罰ゲームとは本来負けた相手は心底悔しがるハズなのだが、さすが十四松。
とでも言えるように元気に下される罰を待っている。
「お前らなんかある? ないなら俺が決めるけど?」
一応、しりとりは全員でやったのでおそ松が周りを見回して珍しい事に意見を求める。
しかし誰も浮かばないようで首を捻るだけだった。
「っし、じゃーぁー! そこの酒を十四松が最初に飲むっってーのはどう?? なはは、我ながら面白い罰ゲームじゃね?」
「えぇ?! 何言ってるのおそ松兄さん! こんな怪しい部屋の中に一つだけ放置されてた酒瓶を飲むだなんて危なくないっ? いくら十四松兄さんでも呪われちゃったりしたらどうすんのさー!!」
「そうだよ、僕もそれはちょっと賛同しかねるね。 いつからあるのかもわからないし、もしかしたら誰かの置き忘れなのかもしれないしさぁ」
突っ込み二人に止められ面白くない顔をするおそ松。
自分的には面白いネタだと思ったのだが思っていた以上にこの小屋に弟達はビビっているようだと思う。
「え? 大丈夫だよ!! ボク飲むよっ」
「だ、大丈夫なの十四松?! あの……いくらお酒好きでもやめた方がいいんじゃ……ねぇ、一松?」
十四松と仲のいい一松に説得してもらおうとナス子は助けを求めたがその一松は体育すわりをしたまま首を振る。